就活において、企業を「人で選ぶ」ことによる"成長"相乗効果
就活での「成長」という言葉の扱われ方に違和感を覚えたことについてこのごろは記事を書いていますが、それも3つめになります。今回は、ひとまずそのまとめということで落としておこうと思います。
「企業は"何をするかではなく、誰とするか"で選べ」
僕は中小・ベンチャーの層をメインに就職活動をしていたのですが、そこでしょっちゅう耳にしたのがこのセリフでした。
その企業がどんな事業をしているか(業界・業種)ではなくて、そこに働いている人でもって新卒として入社する企業を選べ、との言葉です。
事業内容は変わっていくけど、そこに働く人は変わらない。1日8時間を週5日、ずっと顔を合わせて一緒に仕事をする人との相性は大切であるということです。「この人についていきたい!」と思えるような人を探せ、というのもありました。
(事業の移り変わりもあるなら人だって、入社退社だったり、人の中身が変わることもあろうよ…とも思いましたが)
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」 みんなでやることでの相乗効果
「人で選ぶ」ことで何が起こるのかを、「成長」を軸に考えてみたところ、こういうことかなと。
同じ方向をむいている人が集まれば、何らかの相乗効果が生まれる(赤信号も怖くない!)。
皆が同じ方向を目指して進めば、なにかを達成することも容易になる。
例えば、自転車競技においては、空気抵抗による影響を減らすためにチームで一列になって走るということを聞いたことがあります。
一列になることで、風・空気抵抗の影響を受けるのは先頭だけになり、後列の人たちは体力を温存しながら前に進むことができる。先頭を交代で回すことで、チーム全体として力を温存しながら効率よく進むことができるそうです。
一人一人がばらばらになって進むよりも、みんなで進むことで余計な力を温存することができ、それを前に前に進むことにつぎ込むことで、より早く、より遠くにたどり着くことができるようになる。
つまり「人で選ぶ」という基準は、相乗効果のなかで、より早く「成長」することができる環境を作るための条件であるということ。仕事への熱量・熱意、目指す方向が同じ人たちと一緒になって働くことで、「成長」へのレバレッジをかける、そのためのものなのだろうと思います。そして、それは要するに「成長」することにそれだけの熱意を持った人のための言葉でもある、と。
(もちろん、一緒に働く人との相性ってのは、誰にとっても大事なのでしょうけれど)
「成長」への違和感の正体
では改めて、当初に抱いていた違和感はなんだったんだろうと考えたところ、
- 「成長の方向性が一つ、皆同じである」かのような雰囲気を生み出している就活市場・企業サイドに対するもの。
- またそれを鵜呑みにして突っ走っている就活生サイドに対するもの。
こういうことだったのだろう、と思います。
どうしてか、熱くなっているところを見ると、こうやって一歩引いたところで、冷めた目でみてしまいます。
「成長」「人材としての市場価値」大切なことだとは思うのですが。